小ロット生産化とは
「ジャストインタイム」の前提となる平準化生産では「工程の流れ化」をはかり次々と異なる製品を造れるように1個流しを推進します。しかし、射出成型工程やプレス工程など1個流しが技術的に困難な場合があります。このような場合は、段取り替え時間を短縮することで1つのロットを小さくすることで製品の切り替え頻度を上げる活動を行います。そうすることで、ロット生産工程と1個流し工程との間に溜めておく必要がある仕掛在庫の量をどんどん小さくしていきます。この考え方を「小ロット生産化」といいます。
段取り替え時間の短縮
トヨタ生産方式では、段取り替え時間を「外段取時間」、「内段取時間」、「調整時間」に層別して、以下の4つのステップの順番で段取り時間を短縮します。
- 内段取り作業のうち、外段取り作業に移せる作業を外段取り化する。
- 残った内段取り作業を改善して内段取り作業時間を短縮する。
- 調整時間を改善して短縮する。
- 外段取り時間を改善して短縮する。
この順番で行う理由は、工程内で行う段取り替え作業時間を先に減らし、1日の製品の切替え回数を増やすことで、「平準化生産」による在庫量削減の恩恵を先に受けるためです。
1日の段取り替えに使える時間によって1ロットの量が決まります。例えば、
上式より、「小ロット生産化」するならば段取り替え時間を短縮するか、可動率を向上すればよいということです。
内段取り作業時間の短縮
このステップでは、事前に以下のように段取り替え作業時間を「外段取」、「内段取」、「調整」に層別します。
次に内段取りを以下のような切り口に分類して、改善を実施します。
調整作業の短縮
ここでは、調整項目を減らすことを目的とした改善を実施します。(上記プレスの例でのストローク調整廃止など)
外段取り作業時間の短縮
外段取りを以下のような切り口に分類して、改善を実施します。
以上が、「ジャストインタイム」の5原則の1つ「小ロット生産化」です。